【人事労務担当者必見】もし労災が起きたら?慌てず対応するための正しい手順と書類の基礎知識

こんにちは、社会保険労務士の安生です。
従業員の労働災害(労災)は、どれだけ予防に努めていても突然発生する可能性があります。いざという時に人事労務担当者が慌てず、適切な対応を取れるよう、一般的な労災事故発生時の手順を時系列でわかりやすく解説していきたいと思います。
初動対応:まずは「状況の確認」を徹底する
労災事故が発生した際、一番初めに行うべきは詳細な「状況確認」です。
以下の項目をしっかりとヒアリングし、記録に残しておきましょう。これらの情報は、後の労災申請をスムーズに進めるために非常に重要になります。
・発生日時と場所
・事故の経緯:どのような作業中に、どういった経緯で発生したのか(例:「物が落ちてきた」場合は、何グラム程度の物が何メートルの高さから落ちてきたのか等、詳細に)
・怪我の状況:どの部位を、どのように怪我したのか(骨折、切り傷など)
・現認者(目撃者): 事故を見ていた第三者の氏名や役職
医療機関での受診と「5号用紙」の提出
状況確認ができたら、被災した従業員に医療機関を受診してもらいます。労災指定病院で自己負担なく治療を受けるためには、いわゆる「5号用紙(療養補償給付たる療養の給付請求書)」の作成・提出が必要です。
提出先:労働基準監督署ではなく、受診する病院の窓口に直接提出します。
ポイント:書類の作成が間に合わなくても、先に受診して問題ありません。その際、窓口で「労災で申請予定である」旨を伝えてもらうようにしてください。後日5号用紙を持参すれば、医療費が労災扱いとなります。
注意点:病院だけでなく、処方箋をもとに薬局を利用した場合も、薬局用の5号用紙が別途必要になるケースがあります。
転院や立て替え払いが発生した場合(6号・7号用紙)
状況によっては、受診先の変更や費用の立て替えが発生することがあります。
転院する場合(6号用紙): 出張先での応急処置から地元の病院へ移る場合や、大きな病院へ転院する場合などは、病院変更の手続きとして「6号用紙」を転院先の病院へ提出します。
立替払いをした場合(7号用紙): 労災指定病院以外の病院を受診した場合や、コルセットなどの治療用装具を購入した場合は、一度従業員が費用を立て替える必要があります。その費用を請求するために「7号用紙」を作成し、こちらは労働基準監督署へ提出します。
休業を余儀なくされた場合(8号用紙)
労災による怪我で仕事を休まざるを得なくなった場合、休業補償の手続きが必要になります。この時に使用するのが「8号用紙(休業補償給付支給請求書)」です。
補償の仕組み: 休業の最初の3日間(待期期間)は会社が平均賃金の6割以上を補償する義務がありますが、4日目以降は労災保険から給付金(一般的に約8割)が支給されます。
提出先と手続きのタイミング: 8号用紙は労働基準監督署へ提出します。手続きには「この期間、働くことができなかった」という医師の証明が必要となるため、未来の日付では申請できません。会社の給与締め日に合わせて(例:月末締めなら、翌月に前月分の証明をもらうなど)、経過した期間に対して申請を行うのが一般的です。
まとめ:時系列で手続きをイメージしよう
労災発生時の手続きは、時系列で整理すると以下のようになります。
1. 初期の治療(5号用紙・6号用紙・7号用紙): 事故直後〜治療中に病院や監督署へ提出。
2.休業補償(8号用紙): 治療が長引き、休業期間が確定した後に少し遅れて監督署へ提出。
今回は触れませんでしたが災害が原因で障害が残ったり、死亡してしまうケースもあるかと思いますが、先ずは一番一般的な休業までの解説とさせていただきました。
労災の手続きは、状況によって使用する用紙や提出先(病院か監督署か)が異なります。この大まかな流れと書類の役割を把握しておくことで、いざという時にも従業員に安心感を与え、迅速かつ適切なサポートを行えるようにしてきましょう。
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