協会けんぽが「アプリ」に!知っておきたい最新DX構想

こんにちは、社会保険労務士の安生です。

前回のコラムで協会けんぽが電子申請をスタートさせる点について触れましたが、も一つの注目ポイントである「協会けんぽアプリ」について今回は触れていきます。

これまで主に会社(事業主)経由での手続きや案内が中心でしたが、今後は加入者一人ひとりに直接情報を届ける仕組みへと変わっていくようです。この「協会けんぽアプリ」がどのようなものなのか、ポイントをまとめていきます。

目次

なぜ今、アプリなのか?

開発の背景には、大きく2つの理由があります。

マイナ保険証への移行 従来の健康保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカードを利用した「マイナ保険証」への移行が進めている。

加入者への直接アプローチ 現在の協会けんぽのサービスは、申請書や健康診断の案内など、その多くが会社経由で提供されています。そのため、協会けんぽから約4,000万人の加入者へ直接アプローチできる手段が少ないという課題がありました。

そこで、加入者と直接つながるプラットフォームとして、スマートフォンアプリの開発が進められることになりました。

アプリで何ができるようになる?(将来像)

このアプリは、将来的には「医療と健康のDX(デジタルトランスフォーメーション)」の基盤となることを目指しています。構想されている主な機能は以下の通りです。

各種通知のデジタル化 保険給付や医療費のお知らせなど、これまで紙で届いていた情報がアプリに配信されます。

健康診断の予約 協会けんぽのアプリを通じて、健康診断の予約が可能になる構想です。

デジタル健康手帳 アプリ上で利用できる健康手帳機能の実装も計画されています。

「プッシュ型」の情報提供 自分から情報を取りに行くだけでなく、必要な情報が必要なタイミングでスマートフォンに届く「プッシュ型」のサービスが構想されています。

将来的には、協会けんぽ以外の健康保険組合や国民健康保険の加入者も利用できるような、保険者情報を問わないアプリを目指しているとのことです。

ただし、スタートは段階的に

注意点として、これらの機能がすべて最初から使えるわけではありません。

2026年1月(バージョン0) サービス開始時点では、まず「電子申請」や「コンテンツ配信」といった基本的な機能からスタートする予定です。

2028年1月(バージョン1 目安) 個人情報を活用した本格的なサービスの実装は、2028年頃が目安とされています。

健康診断の予約といった便利な機能が実装されるまでは、まだ少し時間がかかる見込みです。

まとめ

協会けんぽのアプリ化は、加入者(従業員)、事業主、そして協会けんぽ自身の三方にとって、手続きのデジタル化や情報連携の効率化といったメリットが期待されます。

すぐに全てが便利になるわけではありませんが、今後の人事労務手続きのデジタル化において重要な一歩となりそうです。

参考:協会けんぽDXについて(全国健康保険協会資料)

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