協会けんぽがDX推進!電子申請導入で何が変わる?

こんにちは、社会保険労務士の安生です。

これまで紙での手続きが主流だった全国健康保険協会(協会けんぽ)が、ついに本格的なDX(デジタルトランスフォーメーション)に乗り出します。

2024年9月に発表された「協会けんぽDXについて」の資料に基づき、特に注目される「電子申請」について、企業や従業員にどのような影響があるのかを分かりやすく解説していきます。

目次

協会けんぽの電子申請、いつから始まる?

協会けんぽの電子申請サービスは2026年(令和8年)1月のサービス開始に向けて準備が進められています。

多くの労務手続きが電子化される中、協会けんぽ関連の手続きは紙での申請が残っており、利便性の向上が課題とされていました。

今回のDX推進は、加入者の利便性向上と業務効率化を目的としています。

【重要】電子申請を利用できるのは誰?

今回発表されたシステムで最も注目すべき点は「利用対象者」です。

従来のe-Gov(イーガブ)などとは異なり、利用対象者は以下のように想定されています。

・被保険者(従業員本人)
・被扶養者(家族) ※一部の申請に限る
・社会保険労務士

驚くべきことに、この対象者に「会社・事業主」が含まれていません。

基本的には「被保険者(従業員)本人が申請すること」が原則となるようです。
また従業員本人が申請する場合、マイナンバーカードによる本人確認が必須となります。

これまでは、多くの手続きを会社(人事・総務担当者)が代行していましたが、今後は従業員自身がスマートフォンやPCから直接申請するケースが増えていく可能性があります。

どんな手続きが電子申請できるのか?

今回の電子申請導入により、これまで紙でしか申請できなかった多くの手続きが対象となります。

特に利用頻度が高いと予想されるのは、以下の申請書です。

・傷病手当金 支給申請書
・出産手当金 支給申請書
・任意継続被保険者 資格取得申出書
・療養費 支給申請書
・高額療養費 支給申請書

特に、退職後の「任意継続」の手続きは本人が行うことが多いため、電子化によるメリットは大きいと予想されます。

申請の利便性はどう変わる?

新しい電子申請システムでは、利用者の使いやすさも考慮されているようです。

分かりやすい画面:申請書を選ぶ画面では、文字だけでなくアイコン(ピクトグラム)が使われ、直感的に操作できるデザインになる予定です。

申請状況の確認: マイページ上などで、申請した手続きの進捗状況(例:「受付」「審査中」「審査完了」など)を確認できるようになります。

利用可能時間: 平日の8:00~21:00(土日祝日・年末年始は除く)での利用が予定されています。
※利用時間についてはe-Gov(イーガブ)などに比べると少し不便さを感じやすい【です。

【まとめ】企業として何を準備すべきか

協会けんぽの電子申請は、2026年1月よりスタート予定です。

今回の最大のポイントは、「会社(事業主)が申請主体に含まれていない」可能性が高い点です。

とはいえ、傷病手当金の申請などには事業主の証明や主治医の証明が必要となっており、この証明書類がどう扱われるのか、詳細はまだ不明な点も多いです。

企業の人事・労務担当者としては、まず「従業員本人がマイナンバーカードを使って自分で申請する」という新しい流れが始まることを認識しておく必要があります。

今後、協会けんぽから発表される詳細情報に注目し、社内での対応や従業員への周知方法を検討していきましょう。

参考:協会けんぽDXについて(全国健康保険協会資料)

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